VMDとは

皆さんが普段、何気なく見ているものには様々な仕掛けがある。

VMDという言葉をご存知だろうか。

アパレル関係の仕事をしている人はこの言葉をよく耳にするかもしれない。

外資系のブランドや最近では日本のブランドもVMDチームが各店舗にでき、重要な役割を担っている。普段、私たちが何気なく見ているお店のほとんどはVMDに基づき作られているのである。

VMDは1940年代にアメリカで発祥したと言われている。

市場に商品が満ち溢れ、ただ商品を並べれば売れる時代が終わったことにより1970年代後半辺りからアメリカのデパートで本格的にVMDが採用されることになった。

そうした背景があり、日本でもVMDが導入され、百貨店(実店舗)で洋服を買うのがトレンドの時代を迎えることになる。

では、VMDとは何なのかを説明していきたい。VMDはVP、PP、IPという3つの要素によって構成されている。


VP

VPとはビジュアルプレゼンテーションと呼ばれ、お店の最も伝えたいイメージをお客様に向け発信する場になり、主にショーウインドーやそれがないお店にとっては、店頭の1番目につく場所に置かれたマネキン、ポスターなどがこれにあたる。

マネキンやセールのポスターを見てお店に入るといったことがあるように、通行人をお客様に変えることができる唯一の場所である。

ここで通行人をハッとするような良いものが作れなければ、お店の前を通る人はただの通行人で終わってしまう。

VPには、お店の沢山の苦労が詰まっている。

私自身も店舗でVMDをしていた時、VPを作るのに1番苦労した思い出がある。

何十体もあるマネキンの着せつけやトレンド情報の発信、使う色の選定や客層に合わせた商品のコーディネートあげたらキリがない。もの凄く労力を使う場所である。VPを作るのが上手くいかずに何度も泣かされた。

しかし、他店との差別化を図ることができ、通行人をお客様に変えることが出来る唯一の場所である為、決して手を抜くことは出来ない。

VPで、お店に興味を持ってもらいお客様を引きつけることが出来れば一気に店内に誘導することができる大切な場所だからである。

PP

お客様が店内に入ったあとに、効果を発揮するのがPPと呼ばれる場所になる。

PPは、ポイント・オブ・セールスプレゼンテーションと呼ばれ、店内でお客様にイメージを提案する場で様々な商品の組み合わせを提案する。

半身トルソーと呼ばれるリアルマネキンではなく、上半身だけのトルソーや棚の上などに飾ってあるディスプレイがそれにあたり、お店全体のイメージを掴みやすい場所にあたる。

一昔前はキレイめ、ストリート、モードなどと言ったように、このお店ならこのイメージというものが決まっていたが、ファストファッションの登場により店内にはキレイめ、カジュアルからストリート、モードに至るまで様々なテイストのアイテムが並ぶようになった。

ファストファッションは、確かに労働面などで重大な問題があり、改善しなくてはいけない課題も山積みであるが、1つのお店で様々なテイストのアイテム、トレンドアイテムが揃う。これは非常に革新的なことだと感じている。

別の回でファストファッションにおけるVMDについても話てしていきたいと思っている。

話が前後したが、PPは店内の商品を提案する場である。

IP

IPとはアイテムプレゼンテーションの略で普段みなさんが商品を手に取れる場所のことである。ここにも様々な工夫が施されている。

色が自然の流れに沿って置かれていたり、ダウン、チェスターコートなどのアイテムが壁や什器毎に規則的に置かれていたりする。

分かりやすいのが、ユニクロの例である。

ユニクロに行けば、目的のアイテムの場所にすぐたどり着く。ウルトラライトダウン、ヒートテックなどの場所が決まって置かれ、商品が色ごとに並んでいる。お客様のことを考えたもの凄く分かりやすい売場になっている。

また、セレクトショップでは壁1面にアウター、インナー、パンツ、小物に至るまでのものが置かれ、1人の男の子または女の子のクローゼットの中を意識した作りになっている。

下の写真は、カジュアルなイメージの女の子をイメージした作りのIPである。

当たり前のことですが、商品がサイズ順に置かれ、お客様が買いやすいようなレイアウトになっている。

このようにVMDは、お客様にとって見やすく、分かりやすく、買いやすいお店を作りあげる為にはなくてはならないものである。

普段何気なく入っているお店ではあなたの知らないところで沢山の工夫がなされている。

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